マネックス証券と楽天証券が最低取引手数料が大幅引き下げ!米国株を取引するのはどの証券会社がいいのか考えてみた。
7月にはいって相次いで二つの証券会社が米国株の最低取引手数料を大幅に引き下げました
マネックス証券 5ドル → 0.1ドル
楽天証券 5ドル → 0.01ドル
先に引き下げを行ったのはマネックス証券で、50分の1という下げ幅に衝撃を受けましたが、楽天証券はなんと従来比500分の1です。マネックス証券の発表の衝撃をなかったことにしています。
単純に考えると安いは正義ということで米国株を取引するのに楽天証券を選びたくなるところなのですが、ほんとうにそうなのか考えてみましょう。
選択肢は4つ
米国株を取引する際に候補にあがるのは
の4つです。この4つについて比較を行いました。
※1 住信SBIネット銀行でドルの買付をした場合
※2 SBI FX αでドルを買い、現引きした場合
SBI証券
7/7現在では最低手数料の値下げを行っていませんが、なんらかの形で後を追うでしょう。住信SBIネット銀行を使うことで為替手数料が安いこと、定期買付ができることが特色です。特に定期買付は最低手数料がマネックスと同等まで下がればさらに価値が高まります。
マネックス証券
昔から米国株を頑張っていますが、銘柄数はサクソバンク証券が圧倒的、戦略的に値下げを行ったであろう最低手数料も楽天に奪われてしまったため、表でみると平均的に見えてしまうかもしれません。しかし時間前取引、時間後取引の両方が可能なのはマネックス証券だけです。また、サクソバンク証券と比べると銘柄数が少ないですが、SBI証券、楽天証券と比較すればかなり多いので十分に選択する理由になります。
楽天証券
最低取引手数料の引き下げを後出しで行って話題をさらった楽天証券ですが、外貨建MMFを購入資金にあてることができます。SBI証券とマネックス証券も外貨建MMFは買えるのですが、米国株を買う場合には一度解約してドルにする必要があります。ドルが安い時にとりあえず外貨建MMFを購入しておくような形で活用できます。個人的には株式売却時に外貨建MMFを買ってくれるような選択肢があるとさらにうれしいです。
最安になった最低手数料ですが、ざっくり0.5%で手数料を計算して0.01ドル以下になるのは2ドル未満の取引、0.1ドルになるのは20ドル未満の取引ということで、他社に比べて優位性があるのは2ドル〜20ドルくらいレンジの取引のみとなります。しかも20ドルに近づくほど優位性は小さくなります。発表された数字としてはインパクトがあったんですが、実際の取引を考えるとそこまで大きな差にはなりません。
サクソバンク証券
多くの強みと、大きな弱みがあります。強みは、取扱銘柄数、手数料、指値有効期限、DRIP(配当金再投資)対応です。銘柄数は2位のマネックスの2倍。さらに表にはありませんが欧州株が買えるのはここだけです。手数料は率と上限が最安なので購入額が大きい人は恩恵があります。逆に少額だけ買うには向きません。指値の有効期限が無期限なのは便利ですし、DRIP対応も1株購入できるだけの配当金を受け取る必要はありますがほったらかしで資産を増やしていくことが可能です。
逆に大きな弱みは特定口座に非対応なところです。現在対応に向けて動いているそうなので、これが解消できれば一気に魅力的な口座になります。これに比べると小さい弱みですが、円建てでしか取引できないし、売却時も円にされてしまうので売却益で別の株を買おうとするともう一度為替手数料がとられてしまいます。
結局どこがいいのか?
並べてみると、値下げですごく安くなった印象がある楽天証券は積極的に選ぶほどではないように感じます。他3つは目的の差でつかいわけですが
- 定期買付したいならSBI証券(マネックス同等の手数料値下げはほしい)
- 指値で個別株の取引をしたいならマネックス証券
- 他で取扱がない銘柄を取引したい、または取引する額が大きい時はサクソバンク証券(ただし特定口座に対応した後)
といったところでしょうか。どれか1個だけというなら、手数料値下げを見込んだ上でSBI証券がいいかなと個人的には思います。
※7/9追記
7/8にマネックス証券が楽天同等の最低取引手数料0.01ドルに値下げ、7/9にSBI証券がさらに上をいく最低取引手数料無料(0.45%で計算して0.01ドル未満切り捨て)の発表をしました。また、サクソバンク証券の特定口座対応時期が現状不透明なので当面は上記のような基準でSBI証券とマネックス証券を使い分けるのがよさそうです。